2014年08月11日

東欧への旅。

今年の夏は東欧へ買付けに行ってまいりました。
今回ははじめてスタッフのあべさんが同行し、
買付けの旅の記録をまとめてくれました。
二人で兎に角足を使って、あちらこちら訪ね周りました。
連れて帰ってきた品々も、早く皆さまにお見せできるよう準備中です。

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東欧4ヶ国への買い付けの旅に同行させていただきました。
本や雑貨はお店で見かけたことはありますが、中世の町並みが残るちょっと怖い国というイメージがあり、
わくわくと不安で出発前日まであまり眠れない程緊張していました。

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飛行機を10時間以上乗り継いで、やっと着いたハンガリーのブダペスト。
2日間滞在したうちの1日目は古本屋さんを巡りました。
写真で見たり想像していたような、古くて装飾的な建築が並ぶ旧市街。
街の規模に対して古本屋さんは結構数があるように感じました。
私は絵本や図鑑を探しながらお店の本を見ていきましたが、ハンガリーの言葉とセンスでつくられた本は、やはり日本のものとは違って面白かったです。
どこもほぼ壁一面ぎっしりある本棚の中から気になる本をピックアップし、荷物を持って次の店へ。
もちろん日本円ではなくフォリントという通貨なので両替所に行って両替をして、
頭の中で○○フォリントは××円だから…と計算しながらです。
飲食関係とスーパー以外のお店の営業時間は基本的にお昼前から18時くらいまでなので、移動時間を含めると本当にあ!っという間に終了してしまいます。
本は数冊でもかなりの重さになるので、体力も筋力も重要でした。

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2日目は
ブダペスト市街からは少し離れたエチェリの蚤の市へ。
地下鉄とバスを乗り継いで行くのですが、地下鉄の途中からメンテナンスが始まり、代替バスで乗り換え場所を目指すハプニングもありつつ到着。
蚤の市というと、公園やホールなどを貸しきった状態で行われる限定的なイベントだと思っていましたが、
こちらの蚤の市は専用の場所になっており、店舗のような状態で販売しているところが多かったです。
(道路のようなところに線と番号が書いてあってそこで売る人もいました。)
箱の中に陶器やぬいぐるみがまとめて入っていたり、店の奥に布が積まれていたり、本当に宝探し状態でした。
お店のおばさんやおじさんに値引き交渉するのも、醍醐味の一つのようです。
英語も危うい私はもっぱらメモ帳に金額を書いて交渉していましたが、出店者の中には子供用のらくがきボードを使うおじさんも。
エチェリから様々な雑貨を詰めたリュックを背負い、街へ戻ってから本と一緒に郵送しました。

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鉄道でオーストリアのウィーンに移動したのは日曜日だったので、ほとんどのお店がお休みでした。
次の日のために散策をしたのですが、道路も建物もとにかく大きくて、道を間違うと元に戻るのが大変です。
王宮や教会を近くから見られましたが、どこも少しずつ修復していました。
ウィーンも古い建物ばかりのはずなのに、綺麗な感じがしたのはお手入れをマメにしているからでしょうか。
滞在2日目は朝からお店巡りをしました。
googlemapと地図を照らし合わせながらトラムとバスを使って移動しましたが、街が大きいので大変でした。
こじんまりしているけれど親切で欲しくなる本がいくつもあるお店、良い本ばかりできちんとした値段のお店、
何十年では済まないような本気の古本を扱うお店、ひんやりとした地下に古書売り場があるお店…個性のあるお店が各所に点在しています。
営業時間もバラバラなのでなかなかすべてを巡るのは難しそうですね。
本屋、雑貨屋に限らずオシャレなディスプレイが多かったのが印象的です。

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ウィーンからプラハへも鉄道で移動でした。
2日間いましたが、メインの旧市街はウィーン程大きくはないものの、迷路のようなつくりの昔から続く石畳の道に悪戦苦闘…
足と足の裏がかなり鍛えられました…!
町並みは建築が厳かで、ブダペストともウィーンともまた違った雰囲気が素敵でした。
旧市街広場やカレル橋には観光客が多く集まり、どの人も熱心に写真を撮っていました。
古書店には図鑑や絵本などチェコらしい挿絵が入ったものを多く見かけました。
本の装丁もおしゃれなものが多くてついつい手に取って見入ってしまいます。
雑貨を扱うお店にはあまり出会えなかったのですが、伝統的なジンジャークッキーのお店に寄ったり、
ヨゼフ・ラダのイラストを使ったレストランバーでチェコ料理を食べたり、チェコを満喫させていただきました。

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最後はスロバキアのブラチスラバに。
国際線が発着しているとは思えない規模の小さい駅と、薄暗い町並みに不安を抱きましたが、
困っていると察知して声を掛けて色々教えてくれる親切な人が多かったです。
街の規模もまわってきたどの都市よりも小さく、見所も少ないようですが、旧市街の中心フラブネー広場にはツアー客と思われる人々が何組も歩いていました。
お土産も摩訶不思議で何故かウィーンやプラハと書いてある物が…!
当然お店も少ないので目当てにしていた古書店は2件ほどしか行けませんでしたが、ブダペストとも他の2箇所の首都とも違った品揃えでした。
ブラチスラバは2年に1度、世界絵本原画展が開かれるのもあるからか行った2件とも絵本の数が多いように感じました。
原画展に入賞した人の絵本を見つけると嬉しいですね♪
実は一番最初の受賞者は日本人で、「ことばあそびうた」などで知られる瀬川康男さんでした。
ウルヴという伝統工芸の守るためにつくられたショップがあったのですが、民族衣装や図案の絵葉書が置いてありお好きな人にはたまらない空間だと思います。

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ブダペスト経由で飛行機に乗り、トランジットでパリに寄って帰国しました。
ラッキーなことに乗り換えの時間が結構空いていたので市内に行くことが出来たのですが、
とても大きいと思っていたウィーンよりも更に倍くらい大きく、歴史ある建物もショップの数も多く人種も様々で東欧とは違うスケール感。
一生見ることがないかも!と思っていたルーヴル美術館や凱旋門が見られて興奮してしまいました。


どの国も魅力ある町並みや人柄など「その国らしさ」というのがあり、買い付けてきた本や雑貨はその一片であり、
必要としているお客様の元にお渡しするお手伝いをさせて貰っていると思うと嬉しかったです。
同時に、もっと勉強しなければと反省しきりです。
買付けの合間に、
土地の料理を食べたり観光名所もちゃっかり見せてもらったりして楽しく旅をさせていただきました。
たくさん歩いてたくさん本に触れて考えて、やっと本や雑貨がお店のサイトに並ぶとわかり感慨深かったです。
(スタッフ・あべ)
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古書玉椿
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posted by 旅する本屋 古書玉椿 at 11:30| Comment(0) | ブックハントの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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